受賞作品発表
「やまなしメディア芸術アワード2024-25」は、3月8日より、山梨県内においてファイナリスト展として入選作品展を開催しています。
このたび、厳正なる審査の結果、10作品の中から受賞作品を決定いたしました。
Y-GOLD最優秀賞

野生の霧
鈴木泰人 作者ウェブサイト
作者コメント
このたび《野生の霧》が受賞できたことを光栄に思い、その意味を深く受け止めています。山梨の森で出会った原風景が今も残されているからこそ、生まれた作品です。見えにくい形を音や技術を用いて表現することで、記憶を頼りに彷徨う日常の姿を、作品を取り巻く環境を含めて観る人それぞれの感覚で受け止めていただけたらと思います。
また、多様な作品に触れてメディアアートを改めて考える機会となりました。こうした場が続いていくことで、潜在的な価値が認められ、地域の枠を超えた刺激や対話が生まれるきっかけになればと願っています。
審査委員コメント
- 青柳正規
- 記憶とはさまざまな感覚によって感知された情報の集積であり、「ある記憶」とはその一部を切り取ってパッケージ化した集合体なのだろうか。しかもセピア色に褪色していたり、すりガラスを通して、あるいは霧の中にあるかのように見えることを期待されているのだろうか。記憶の中にある個々の情報は輪郭のない曖昧でなければならないのだろうか。
紛うことのない凛とした形をもつモノどもを提示して記憶化にいたる操作以前に誘おうとしているのだろうか。電球の光とアンプが生み出す音によってあの時に、あの場所に引きずって行こうとしているのだろうか。確かにあの記憶のなかに引きずり込まれそうだ。 - 太田智子
- 山梨県内の都留という地域の森で、霧の中をさまよったという経験を、自身の制作スタイルと組み合わせた作品。山梨で使われた日常の古い生活用品が並び、都留やその他の場所から集められた音が聞こえてくる空間は、時折点灯する種々の照明とも連動し、どこか違う時空に観る者を誘うような没入感をもたらす。決して派手ではないが高い精度の技術により、地域の暮らしの手触りまでも感じさせる。
- 金秋雨
- 受賞おめでとうございます。静けさの中に冒険があり、ふとした瞬間に時代の「エラー」のような光が差し込む。そんな作品の奥行きに引き込まれました。展示という形への問いかけも含め、鑑賞者の記憶や感覚をそっと揺さぶる力を感じます。ふと、茨木のり子の「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」という詩の一節が浮かびました。作品を通して、見えないものを感じ取る力が、静かに目覚めていくようです。本当に素晴らしい作品でした。
- 高見澤峻介
- 本作について特筆すべきは、作品の詩的表現の中で、通常は技術的要素として背景に退くはずのデバイスや機材が、陳列された日用品と同等の存在として扱われている点です。自然風景、時間の痕跡を宿した骨董的日用品、そして音響・制御のためのデバイスや配線という三つの異なる要素が、違和感なく調和した空間を構成されており、最先端技術に依存することなく、しかしVRやARにも匹敵する没入感を生み出しています。
- 多田かおり
- 突出した完成度の作品で、作家のこれまでのリサーチや経験値といった蓄積を存分に発揮していたと思う。工場跡の建物である会場との相性も良く、ストレスを感じず作品に集中できた。本作は展示された物の振る舞いや音響などの各要素が極めて精緻にデザインされているが、その背景には作家の技術力の高さもあるのだろう。それにも関わらず、テーマとしての「テクノロジー」は後退している。このような作品が最優秀賞を受賞することも興味深い。
- 原田裕規
- コンセプト重視で見たとき、視覚的に見たとき、体験として見たとき、それぞれの見方に対応する緊張感をもっていたのが鈴木さんの作品でした。良い意味で「なんとなく」がない、張り詰めた空間になっていたと思います。この緊張感をこのスケールで実現するのは、並の労力ではなかったはず。大作であり労作でした。また若手のみならず、中堅やベテランの作家であっても意欲的な表現はバックアップされてほしいと思い、また本作が「メディア芸術」の枠組みを拡張してくれるようにも思い、Y-GOLDに選ばせていただきました。
Y-SILVER優秀賞

BOX SEAT
早川翔人 作者ウェブサイト
作者コメント
本作のような不確定な形式を扱う公募が国内では稀な中、このアワードに出会い、受賞できたことを光栄に思います。また、都心を離れ、自然豊かな山麓に囲まれた会場で展示する機会をいただき、感謝申し上げます。やまなしに滞在する中で、作品展示と同時にその地の歴史や風土に根ざした文化的魅力も存分に体感し、制作活動に新たな刺激を得ることができました。末永くこのようなアワードが続き、多くの才能が花開する土壌となることを願っています。
審査委員コメント
- 太田智子
- 人間が機械に顔の表情の訓練を受けるという皮肉。プレイヤーを評価し、励ましてみせる画面内のデジタルヒューマンこそ、人間の顔を学習して来たはずなのに、という思いが浮かぶ。一方で、同時に3名まで体験可能という高い技術を用いつつも、顔という最も人間らしさが現れる“素材”が選ばれていることで、顔とは?表情とは?感情とは?という人間の肉体・精神のありように意識を向けるきっかけになる。顔のトレーニングをしているところを誰かに見られる気恥ずかしさはきっと拭えないけれど。
- 原田裕規
- 技術力の高さ、空間的な作り込みの完成度で群を抜いている作品でした。また体験として「圧」があり、たとえコンセプトがわからなかったとしてもすごい──そう言わせる力をもった作品でした。メディア芸術アワードにふさわしい、新しいメディアやテクノロジーを駆使した秀作だったと思います。またデジタルヒューマンに表情のレッスンを受けるという状況にはユーモアも感じられて、一筋縄ではいかないところもこの作品の魅力でした。
Y-SILVER優秀賞

Five Years Old Memories
小光 作者ウェブサイト
作者コメント
山梨で展示という貴重な機会をいただけて、そしてさらに受賞とのことでたいへん嬉しく思います。ありがとうございます。本作をプレイするだけでなく、プレイヤーが自身の幼少期の記憶を思い出したり、プレイヤー同士でお互いの記憶にまつわる対話へ展開したりする事も作品の一部だと思っています。ぜひ審査員の方々の5歳頃の記憶も伺ってみたいです。
審査委員コメント
- 多田かおり
- 単に幼少期の体験を聞き取ってビジュアライズするだけでなく、本作にはドラッグ、ピンチ等、私たちが普段ユーザーとして、もはや無意識的に行なっている操作そのものが、ふいにエピソードの持つ懐かしさと一致するような質を持つ瞬間がある。作家にとってコンピュータを触って応答があるという体験(特に本作のように多くの人が操作可能なインターフェイス)は、懐かしさを表現する一種の語彙なのかもしれないと感じた。
- 高見澤峻介
- タッチパネルやジャイロセンサーといった機能を活用し、記憶の中に存在する質感や動作を追体験できる作品です。タブレット端末上でのアプリケーション形式であるため、体験に軽快さがあり、間口が広いこともアーカイブとしての質を高めています。個人史がデジタル空間に保存されることが日常となった現代において、作品というローカルな場所で、記憶の保存と仮想的な動作の追体験は重要な視点を与えているように思います。
Y-CRYSTAL山梨県賞

Bonchi-Kofu-
久々利涼 作者ウェブサイト
作者コメント
甲府盆地を題材にした作品を7年間撮り続け、山梨県賞をいただけたことを大変光栄に思います。これまで私は、生まれ育った中部地方を起点に、地方の郊外を夜に歩きながら、地方における風景を記録してきました。それは自身にとって、新たな夜の風景の発見に繋がりました。夜はまだ未知の世界です。本作品は今後も制作を続けていく予定であり、また山梨県内で展示の機会があれば嬉しく思います。
審査委員コメント
- 青柳正規
- ユーラシアプレート、北米プレート、フィリピン海プレートという三プレートが出会うことによって生まれた甲府盆地の地下構造は笛吹川と釜無川の堆積物によって覆われた、日照時間日本一という太陽の恩恵に浴した地域である。しかし、日照のない甲府盆地、徒歩という風景がもっとも身近に迫る移動法、そして200キロにも及ぶ移動距離、そのなかで影像に記録された一コマ、一コマも甲府盆地がもつ紛れもない現実である。生活の場を、活動が休眠状態にある瞬間で捉え、喧騒に遮られた自然が静寂のなかで本来の姿を表している。愛着ある土地の未知の表情を知ることによってさらに愛おしさが募る。
- 金秋雨
- 受賞おめでとうございます。夜の甲府盆地を200km歩きながら撮影するという挑戦的なアプローチからは、制作への強い衝動が伝わってきました。その一方で、作品としての完成度やアウトプットの精度には、まだ磨きをかける余地があるように思います。創作は足し算ばかりではなく、時には思考を重ねながら引き算をすることも大切ではないでしょうか。さらに研ぎ澄ませていくことで、より深みのある表現へとつながっていくことを期待しています。この受賞はあくまで一つの出発点。ここからどのようにご自身の表現が進化していくのか、今後の展開を楽しみにしています。
※作品の形態によっては、映像のみでの紹介に適さない作品もあることから、
制作者に確認の上、了承いただきました作品URLを掲載しております。

「やまなしメディア芸術アワード2024-25」は、入選作品展を3月8日(土)〜3月30日(日)に山梨県内2エリアで開催いたします。
本展では、国内外303点の応募作品から一次審査で選出された入選作品10点を発表します。甲府、北杜の3つの文化拠点を会場にして、会期中に最終審査会を開催し、Y-GOLD(最優秀賞)、Y-SILVER(優秀賞)、本県に新たな価値を創出するY-CRYSTAL(山梨県賞)を決定します。
世界各地で経済活動や社会構造が大きく変化するなか、本展を通して、新しい創造性に触れていただき、これからの豊かな社会をつくる想像力や好奇心を広げる機会にしていただければ幸いです。
入選者発表
山梨県では、アーティストのキャリア形成を促進すると共に、本県での創作活動の契機とするため、『やまなしメディア芸術アワード2024-25』を開催しています。厳正なる審査により、国内外から応募のあった303作品の中から、次のとおり10作品をファイナリストとして選出しました。
今回選出した10作品を展示・発表する入選作品展を、3月8日(土)〜3月30日(日)に甲府・北杜エリアで開催いたします。会期中に行われる最終審査にて、Y-GOLD(最優秀賞)、Y-SILVER(優秀賞)、Y-CRYSTAL(山梨県賞)を決定します。
入選作品

熱触療法
今宿 未悠
知らない夢に合わせて寝返りをうつ
臼井 達也
そうだね/そうだよ
遠藤 梨夏
Bonchi-Kofu-
久々利 涼
"I was a weapon."
倉持 清香
Five Years Old Memories
小光
そして、O-renはそれが歌であることを知った
小宮 知久
野生の霧
鈴木 泰人
波間にて
羽田 光佐
BOX SEAT
早川 翔人一次審査 総評
太田 智子
山梨県立美術館学芸員
審査にあたっては、各審査員が自身の考えにもとづき質の高い作品を選定するとともに、全体のジェンダーバランスや作品の傾向も考慮し、総合的に判断しました。結果として選定作品の内容は非常に幅のあるものとなっています。第4回を迎えた本アワードが、今回の応募作品の中から、どのような作品・作家をより広く紹介していきたいと考えているか、アワード自体の今後に対し、どのような展開を期待しているか、といった審査員の視点も込められた審査結果になっているのではないかと思います。
金 秋雨
キュレーター
アワードの作品を審査しながら、メディア芸術の発展を振り返る年の瀬を終えて、大阪で再び万博が開催される年を迎えた。1960年の万博でE.A.Tが発表した作品はメディアアートの歴史に65年経った今も名を残している。アートとテクノロジーは時の流れとともに深く交わり、互いに刺激し合い、時に競い合うことで、新たな芸術の形を具現化し続けてきた。今回のアワードでは、テクノロジーの進化に頼ることない、過去の技術や思想の継承を感じさせるアプローチが数多く見られた。作家たちが個々に技術史を感じ取り、それを自身の表現へと融合させている点が印象的だった。メディアアートが、作者と鑑賞者、双方の感性と想像力を日常的に広げていく未来を期待したい。
高見澤 峻介
美術作家、2023年度Y-GOLD受賞
他の審査員の皆様とお話をする中で、やまなしメディア芸術アワードに対する私の考えが少しずつ変化していきました。多様な審査作品を拝見し、本アワードの今後の可能性について改めて考えることができたからです。あらゆる創造をより幅広く賞賛していくことが山梨で実現し、それが次なる創造へと繋がるきっかけとなれば、これほど喜ばしいことはありません。本アワードがフレームを広げて発展していくことを願っております。
多田 かおり
キュレーター
YMAAの審査は、審査員が比較的若手で実験的な表現を行うアーティストやキュレーター、研究者などで構成されることが特徴的だ。メディアやテクノロジーへの取り組み方が審査基準の核となっているが、今回の審査員たちはこれを一意的にとらえるというより、各々に異なる、日常におけるテクノロジーとの出会いの経験や実感をもとに評価をしていた。その結果、様々な人が自分の人生に重ね合わせられるようなラインナップが入選したと思う。
原田 裕規
アーティスト
今回初めて本アワードの審査に参加させていただきましたが、メディア、テーマ、文脈、方法論など、とても幅の広い表現が集まっていることに驚きました。それほど本アワードは期待値が高く、多様な表現の受け皿になっていることがわかりました。今回残念ながら入選にならなかった作品の中には、接戦の末に惜しくも入選ならずとなった作品も数多くありました。良い結果を得られなかった方も、それにめげずに頑張ってもらいたいです。
入選作品展
- 会期
- 2025年3月8日(土) 〜 30日(日)
- 会場
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[甲府]
小さな蔵の美術館(甲府市丸の内1-1-25 甲州夢小路)
ART SPACE 夢/多目的空間Y(甲府市中央2-5-29 マイヅルビル2F)
[北杜]
GASBON METABOLISM(北杜市明野町浅尾新田12)
※入選作品展の詳細概要は本ウェブサイトで随時発表します。
開催趣旨
山梨県では、創造性にあふれる地域社会をめざして、『やまなしメディア芸術アワード2024-25』を開催します。
『やまなしメディア芸術アワード』YMAAは、高い表現力や想像力あるいは高度なデジタル技術の技能を有する人材育成を目的としており、独創性の高い作品を顕彰するとともに、未来を構想する表現者たちのプラットフォームと位置づけています。
2021年度より国内外から多くのご応募をいただき、県内各所の文化拠点と連携して取り組んできました。2025年3月の入選作品展に向けて、第4回となる今回もメディア・テクノロジーへの創造的な探求を促進していきます。
「Y-GOLD最優秀賞」、「Y-SILVER優秀賞」、「Y-CRYSTAL山梨県賞」を表彰の3賞として設けて、これまでにない革新的な芸術表現が寄せられることを期待しています。「Y-CRYSTAL」は山梨県に新たな価値や意味を創出する作品として応募作から選出し、入選作品展で3賞の受賞作品を決定します。
本公募プログラムの開催を契機として、山梨県は芸術文化創造のインキュベーションとなり、新しいクリエイター育成や産学連携の継続的な活動を推進することで、豊かな地域社会の実現に向けて取り組んでいきます。
対象作品
対象作品
一次審査にてウェブ上で閲覧、実行、動作、記録を確認でき、オリジナルな表現であればジャンルは一切不問です。
先端的なメディア・テクノロジーを駆使している作品はもちろんのこと、テクノロジーに批評的な視点を持った作品、これまでの定義では評価しがたい挑戦的な作品、これから芸術作品と呼ばれるような新しい表現など、多くの方々の応募をお待ちしております。
例:映像作品、アニメーション、グラフィック、インスタレーション、パフォーマンス、インタラクティブアート、モーショングラフィックス、ゲーム、スマートフォン及びタブレット用アプリ、デジタルアート、デジタルガジェット、Webデザインなど
作品規定
- 応募する作品数に制限はありませんが、受賞・入選は1応募者につき1作品までとします。
- 他のコンテストに応募した作品も応募できます。ただし、当該コンテストにおいて受賞した作品を除きます。
- 応募者は作品の著作権を有することが必要です。
- 応募作品を山梨県内の各会場で発表できること。最終審査は展覧会形式で行いますが、オンライン発表も可能です。
- 入選した場合、発表にかかる費用設置/撤去および輸送費などを1作品あたり上限15万円まで補助します。
- 入選作品の設置場所や発表形式については、開催趣旨および法令や安全対策などの諸事情を踏まえて、入選者本人との協議の上で決定します。
- 特記事項を必ずお読みください。
公募概要
募集期間
令和6年9月27日金~令和6年12月15日日23:59 必着日本時間
応募資格
- 性別、年齢、国籍、個人、グループ、プロ、アマを問いませんが、応募者グループの場合は、すべてのメンバーは本募集要項の各条件を満たすこととします。
- 未成年の方が応募する場合は、保護者の同意の上、応募してください。
- 日本在住であること。海外在住の場合は作品審査に際して国内の協力者がいれば参加可能です。
応募料
無料
応募方法
手順1:作品のアップロード
動画配信サービス、画像の投稿・共有サイト、ご自身のウェブサイト等に応募作品をアップロードしてください。
手順2:フォームからエントリー
本ウェブサイトの応募フォームに必要事項作品アップロード先URL、作品サムネイル画像、作品発表の形式等を入力し、送信してください。
募集要項
注意
- URLは、アクセスすればアカウント登録やダウンロードが不要で、そのまま閲覧できる状態でアップロードしてください。
- 限定公開の作品は、パスワード等を本サイト内応募フォームへ送信してください。
- 作品は、下記の環境で閲覧、実行できることをご確認ください。
[OS]Windows 10/11, macOS Sonoma 14.0以降
[ブラウザ]Microsoft Edge, Safari, Google Chrome - 審査のため、令和7年3月31日月までの間は閲覧またはデータ取得可能な状態にしてください。
- 閲覧できない場合、応募内容に不備ありと判断し、審査の対象外となります。
- 応募で利用する動画配信サービス、画像の投稿・共有サイト等の利用料金等は自己負担でお願いします。
審査
審査方法
審査は2段階で行われます。
- 1. 一次審査
- 提出された内容を元に、審査委員が『やまなしメディア芸術アワード2024-25』の入選作品を10作品程度選定します。
- 2. 最終審査
- 一次審査において、選考された10作品程度について、審査委員が入選作品展にて作品を審査し、最終審査会で『やまなしメディア芸術アワード2024-25』の受賞作品を決定します。
審査委員
審査委員長
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提供:学校法人多摩美術大学 -
青柳 正規
山梨県立美術館館長、多摩美術大学理事長、元文化庁長官
1944年生まれ。山梨県立美術館館長、学校法人多摩美術大学理事長、奈良県立橿原考古学研究所所長、石川県立美術館館長、公益財団法人せたがや文化財団理事長、東京大学名誉教授、日本学士院会員、文化功労者。勲等は瑞宝重光章。国立西洋美術館館長、文化庁長官などを歴任した。
審査委員
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太田 智子
山梨県立美術館学芸員
1982年生まれ。2006年より現職。担当したおもな展覧会は「池田龍雄展」(2010年)、「夜の画家たち」(2015年)、「深沢幸雄展」(2018年)、「栗田宏一・須田悦弘展」(2020年)、「テルマエ展」(2023年)など。
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金 秋雨
キュレーター
キュレーター。研究者。実験映像プラットフォーム〈non-syntax〉主宰。
東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科修了。日本大学芸術学部美術学科助教。主なキュレーションとして「Not in this Image」展 (Kuandu Museum of Fine Arts, Taipei)、EXiS 2023 (Experimental Film and Video Festival) Asia forum、芸術祭「Sense Island 2022/2024」 (Kanagawa)、「Competitive Meditation」展 (PARCEL,Tokyo) などがある。 -
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高見澤 峻介
美術作家、2023年度Y-GOLD受賞
「火」や「光」といったプリミティブなメディアを通して、現代の視覚環境や通信技術の社会的・技術的基盤を巡る作品を制作している。主な展覧会に、グループ展「沈黙のカテゴリー|Silent Category」(クリエイティブセンター大阪、2021)、個展「Screening Organon」(CASHI、東京、2020)、個展「Screening Organon」(四谷未確認スタジオ、東京、2019)等。
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多田 かおり
キュレーター
東京藝術大学大学院映像研究科博士後期課程修了(博士)。2013〜24年恵比寿映像祭(東京都写真美術館主催)キュラトリアルチームに参加、2020〜24年東京都写真美術館学芸員。恵比寿映像祭では佐々木友輔、フォレンジック・アーキテクチャー、マーティン・シムズ、スタン・ダグラスなど「映像」という概念を押し拡げるような活動を行う作家・作品を紹介。2022年企画の「イメージ・メイキングを分解する」展では、私たちのものの見方の条件としてのメディアや技術の相対化を試みた。また藤幡正樹、タマシュ・ヴァリツキー、木本圭子などの作品収集を担当した。
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原田 裕規
アーティスト
1989年生まれ。アーティスト。とるにたらない視覚文化をモチーフに、テクノロジーやパフォーマンスを用いて、社会や個人の本性(ほんせい)を「風景」や「自画像」のかたちで表現している。主な個展に「原田裕規:ホーム・ポート」(広島市現代美術館、2024年)、「やっぱり世の中で一ばんえらいのが人間のようでごいす」(日本ハワイ移民資料館、2023年)。単著に『評伝クリスチャン・ラッセン』(中央公論新社、2023年)、『とるにたらない美術』(ケンエレブックス、2023年)。TERRADA ART AWARD 2023でファイナリストに選出、神谷幸江賞を受賞。
審査基準
- 独創性の高い企画や清新な表現に相応しいメディアやテクノロジーを用いているか
- 新しいことにチャレンジする姿勢が感じられるか
- テクノロジーをめぐって批評性やメッセージ性を持っているか
- 既存のジャンルや分野を超えて、未来への大胆な提案が作品として結実しているか
- ユニークな発想や工夫で驚きや発見をあたえているか
表彰
賞状・副賞
最優秀賞、優秀賞、及び山梨県賞の受賞者には、それぞれ賞状、副賞が贈られます。
- Y-GOLD最優秀賞
- 賞状、副賞50万円1点
- Y-SILVER優秀賞
- 賞状、副賞20万円2点
- Y-CRYSTAL山梨県賞※
- 賞状、副賞50万円1点
入選発表・入選作品展
入選発表
- 入選発表
- 令和7年1月上旬予定
- 発表形式
- 本ウェブサイトにて
入選作品展
- 開催日時
- 令和7年3月 ※3月1日土~30日日の約一カ月を予定
- 開催場所
- 甲府市、北杜市内各所
受賞発表・表彰式
受賞発表
- 日時
- 令和7年3月中旬予定
- 発表形式
- 本ウェブサイトにて
表彰式
- 開催日時
- 令和7年3月中旬予定
- 開催場所
- 後日、受賞者に案内
特記事項
作品の応募について
- 応募する作品数に制限はありませんが、受賞・入選は1応募者につき1作品までとします。
- 他のコンテストに応募した作品も応募できますが、当該コンテストにおいて受賞した作品を除きます。令和6年12月15日(日)までの受賞作品を対象とします。
- 申込に不備があった場合、受理できません。
- 下記に該当する応募は無効とさせていただきます。
- 公序良俗に反するもの、特定の政治・宗教に訴えるもの、自らもしくは第三者のビジネスにつながるもの
- 第三者の著作権、商標権、肖像権、プライバシー権などを侵害するもの
- 応募で利用する動画配信サービス、画像の投稿・共有サイト等の利用規約・法令に違反するもの
- 未成年者の場合は保護者の同意を得た上でご応募ください。未成年の方が応募された場合は、保護者の同意が得られているものとみなします。
- 応募に伴う一切の費用は、応募者の負担となります。
- 審査の状況によっては追加資料の提出が必要となる場合があります。
作品について
- 本人が制作したものに限ります。
- 撮影機材の指定はございません。お好きな機材をご利用ください。
- 楽曲を使用する場合は「オリジナル楽曲」又は「著作権フリーの音楽」としてください。著作権上問題のある楽曲使用が判明した場合は、失格とします。
- 作品受領の連絡は行いませんので、あらかじめご了承ください。
- 作品の送付及び審査の過程において、万一の損傷や紛失が生じた場合、主催者は一切の補償はいたしません。
- 審査過程の範囲に限り、応募された作品・資料について複製等の行為をさせていただくことがあります。
- 応募により作品の著作権が主催者へ移転することはありませんが、受賞作品及び入選作品は、主催者による審査結果発表、作品展、及びやまなしメディア芸術アワードの広報・募集活動・報告・事業紹介及びその他の関連事業において、複製、印刷、上映、公衆送信放送、自動公衆送信本サイトの公開、展示等の行為を無償でさせていただくことがあります。その際、レイアウトの都合上主催者にて、作品のサイズを拡大・縮小、ファイル形式の変更やトリミングなどの加工をする場合があります。
- 作品内容タイトルを含むが法令等・公序良俗に反するものは展示・公開できません。
- 受賞作品において、下記に該当する場合は主催者の判断によって、受賞を取り消す場合がありますその場合、進呈した賞状及び副賞は返還していただきます。
- 第三者から権利侵害、損害賠償などの主張がなされた場合
- 応募フォームに事実と相違あることが記載されていた場合
- 応募条件に反することが判明した場合
- 不正行為が判明した場合
- 応募で利用する動画配信サービス、画像の投稿・共有サイト等の利用規約・法令に反することが判明した場合
- 前項に記載する受賞の取消に伴い、受賞者が受けた損失・損害等に対して、やまなしメディア芸術アワード事務局は、一切の責任を負いません。
- 応募作品の審査経過・結果についてのお問合せは、一切お受けできません。
著作権について
- 応募者は応募作品の著作権を有することが必要です。
- 作品中に使用される美術、映画、写真、映像、プログラム及び音楽等については、必ず著作権者の許諾を得た上で応募してください。
- 上記著作権の権利処理が完了していないコンテンツは、決して引用・流用しないでください。
- 共同制作者がある場合は必ず許諾を得てください。
- 受賞作品及び入選作品について、展示や広報等に使用する際に事前の承諾を得て無償での利用をお願いすることがあります。
- 第三者からの権利侵害、損害賠償等の主張がなされたとしても、応募者が自らの責任で対処することとし、主催者は一切の責任を負いません。
肖像権について
- 第三者からの権利侵害、損害賠償等の主張がなされたとしても、応募者が自らの責任で対処することとし、主催者は一切の責任を負いません。
- 人物が写り込む作品の応募は、事前に肖像権の許諾があるものに限ります。
個人情報について
やまなしメディア芸術アワードで収集する個人情報については、応募者の個人情報保護の考え方を以下の通り定め、これを遵守することにより、個人情報の漏洩、流用、改ざん等の防止に適切な対策を講じます。
- 個人情報の利用目的
- 応募者の個人情報は、以下の利用目的の範囲内でのみ利用させていただきます。
- 下記目的以外で必要が生じた場合は、ご本人の承諾を得た上で利用することとします。
- 審査結果の通知
- 応募作品についての確認事項のご連絡
- やまなしメディア芸術アワード関連事業のご出品等に関するご連絡
- やまなしメディア芸術アワードの向上に役立てるための統計分析
- やまなしメディア芸術アワード関連の展覧会や募集などに関するご案内
希望されない場合は申し出により停止いたします。 - やまなしメディア芸術アワード受賞・入選者のマスメディア及び本サイトへの公表
作品名、氏名等。なお、その場合は公表内容を事前に本人に連絡の上、確認します。
- 第三者への開示・提示
- 応募者の個人情報を、ご本人の同意なく第三者に開示・提供は致しません。しかし、次のいずれかに該当する場合はその限りではありません。
- 情報主体の同意がある場合
- やまなしメディア芸術アワード事務局と機密保持契約を締結している協力業者、業務委託会社に対して、情報主体に明示した利用目的を実施すべく個人情報を開示する必要がある場合
- 統計的なデータとして個人情報を識別できない状態に加工した場合
- 法令等に基づき、提供に応じなければならない場合
- やまなしメディア芸術アワードで収集する個人情報については、前項の通り、厳重に管理しますが、通信上のリスクはご理解の上、応募いただきますようお願いします。万が一、第三者の不正アクセス等の違法行為により個人情報が漏洩してしまった場合については、やまなしメディア芸術アワード事務局に過失が無い限り一切の責任を負いかねます。
- 応募者の個人情報を、ご本人の同意なく第三者に開示・提供は致しません。しかし、次のいずれかに該当する場合はその限りではありません。
その他
- 応募者は本募集要項の内容を確認してから、応募申込をしてください。
- 応募申込をもって、応募者及び作者の同意を得られたものとします。
- 本要項は、コンテストの適切な運営のため、予告なしに、修正・変更する場合があります。その場合には、本サイトに掲載してお知らせします。
- 募集要項に明記されていない事項については、主催者が最終的な決定権を持つものとします。
事業支援のご案内
『やまなしメディア芸術アワードYMAA』は2021年から山梨県で開催されており、これまでにYMAAに関わった表現者たちが国内外で活躍するだけでなく、次世代の新たな才能を育む価値創造の循環を生み出しています。
しかし、昨今の物価高騰や厳しい財政状況により、この事業を継続して開催していくためには、県の予算だけでは困難な状況にあります。若い才能を支えるこの貴重な場を守るため、皆さまの温かいご支援を心よりお願い申し上げます。
ふるさと納税型クラウドファンディング
本事業では、ふるさと納税型クラウドファンディングを通じて、皆さまからのご支援を募集しております。ご寄付いただいた金額は税額控除の対象となり、地域や未来のアーティストを支える大切な一助となります。いただいたご寄付は、『やまなしメディア芸術アワード2024-25』の開催費用として活用させていただきます。詳しくは、以下のリンクよりご確認ください。
[ふるさと納税型クラウドファンディングの詳細はこちら]
主催
山梨県
協賛
株式会社ワイ・シー・シー
後援
多摩美術大学
東京藝術大学大学院映像研究科
山梨大学
山梨日日新聞・山梨放送
テレビ山梨
エフエム富士
エフエム甲府
応募先・問い合わせ先
山梨県 観光文化・スポーツ部 文化振興・文化財課
- 所在地
- 〒400-8501 山梨県甲府市丸の内1-6-1
- 電話番号
- 055-223-1790平日 9:00~17:00
- y-artaward@pref.yamanashi.lg.jp
■やまなしメディア芸術アワードウェブサイト
- URL
- https://y-artaward.jp/